2001.10.6

ファッションマーケティング論研究会・発表内容

ファッションマーケティング論研究会
発表者:早川雅明
教授
成安造形大学

  1. これまで

    1.gif 1998年12月「現代女子学生の意識・行動に関する一考察―アンケート調査にもとづいた分析―」、2000年12月「世代間におけるファッション意識と行動に関する一考察―生活文化どの検証を目指して―」という報告をしてきました(図表1参照)。

    1998年12月の報告では、女子学生の意識・行動の様々な面で、「エンジョイ型生活文化」の特徴があらわれていました。2000年12月の報告では、団塊ジュニア世代はエンジョイ型、新人類世代は潜在的エンジョイ、団塊世代はエンジョイ型と安定型とに2極化傾向、戦前世代はエンジョイ型と安定型とに2極化していることを明らかにしました。手法としてはどちらも、アンケート調査を採用し、このアンケートを分析することで、生活文化度が安定型からエンジョイ型へシフトしていることの検証をしてきました。

    これらの研究は、次のような問題意識を出発点としていました。 現在は,価格破壊,価格革命,それらを実現した新業態の誕生、規制緩和の進展,それに伴う外資流通企業の進出による大競争時代の到来などの現象に代表される「第二次流通革命」の真っ最中にあり,わが国の流通システムは大変革期をむかえています。この変革は,ファッション業界においても起こっており,新業態のSPAの成長やSCMを中心とする製販同盟の形成など,ファッション産業構造の変革を迫っています。 このような産業構造の変革の原因は、産業内の競争環境の変化に起因する部分もありますが、購買者である消費者の価値観・意識・行動の変化による部分が大きなウエイトを占めている、という考えを出発点としていました。
  2. 既存データの再分析

    2.gif これまで、得られたことをベースとして、2002年12月を目標に、現在、新たな作業を進めています。そのひとつに、既存のアンケートの再分析があります。以下、その一部です。ここでは、既存データの再分析を図表2に示される手順で再分析してみました。その結果が図表3に示されています。

    3.gif

  3. 今後の課題

    これまでの調査と分析の反省から、さらに焦点を絞ったアンケートを作成することが、最も近いところの課題となっています。また、詳細な人口統計学的データ項目の追加や、できれば住民登録基本台帳にもとづくランダムサンプリングをするために、研究予算の獲得やスポンサー探しも課題となっています。

以上