平成16年10月2日

ファッションビジネス学会 関西支部
支部長 野中 一男

ファッションビジネス学会関西支部・合同研究会
支部長挨拶


毎年恒例のファッションビジネス学会・関西支部・合同研究発表会を開催させていただきます。昨年は東京の本部が開設10周年を迎えましたが、東京の2年後に発足したこの関西支部は、本日で9年目に入り、来年はいよいよ10周年を迎えます。これも会員の皆様の日頃からの熱心な研究活動の積み重ねが実を結んだものと、感謝しております。

9年前の関西支部発足以来、関西のファッション系大学と専門学校の交流はスムーズなものとなり、産学協同型の研究活動を実践する場として、年々重要性を増しています。来年の関西支部開設10周年を迎えるにあたり、現在活動している5つの研究会:ファッションマーケティング研究会、ファッションデザイン教育研究会、ファッションビジネス教育研究会、インターンシップ研究会、ファッションIT研究会の5つですが、それぞれの研究会の研究メンバーと共同研究企業グループを確立すると同時に、新しい研究部会の発足を企画しています。

新しい研究部会名は「和文化ファッション研究部会」となる予定ですが、日本が世界に誇るファッション文化としての「着物」をテーマとして、これから世界に向かって発信するべき日本ファッションが備えるべきアイデンティティとしての「着物文化」をファッションビジネスの観点で研究分析する重要な研究会となるものと確信しております。詳しくは別紙「和文化ファッション研究部会・設立についての趣意書」をご覧になり、本日第二部のプログラム6番で内容説明をお聞きください。

和文化ファッション研究会の主査は東洋ファッションデザイン専門学校・校長の樹下先生が担当されることになりました。そして主幹を関西支部事務局長でマロニエの針田さんに、顧問を宝塚造形芸術大学の菅原先生に御願いすることになりました。趣旨に賛同される方は研究部会メンバーとしてご登録いただき、和装、洋装の関係企業と教育機関のコラボレーションから生まれる新しい日本のファッションを研究開発していただきたいと願っています。

今年の7月から9月にかけて、ベトナムと中国の北京、南京、上海に行ったのですが、勤勉で勉強熱心なベトナムの人たちや中国の向上心の強い学生達の話を聞いたり、見学した教育施設やイベントなどもそれぞれ活気に溢れており、「21世紀はアジアの時代」と言われている現状を目の当たりにしてきました。今後は中国、韓国、台湾、ベトナム、さらに注目されているインド、もちろん欧米やオーストラリアなどの国々も含めて、様々な連携による共同研究活動などが活発に行われるようになると思われるので、今後のFB学会の研究活動はアジアを中心としたグローバルな視点で行うことを前提にして行って行きたいと思います。そのためにも今回研究員を募集する「和文化ファッション研究会」の研究成果というものが、日本、関西のアイデンティティを確立するためにも不可欠であるからです。

なお、従来の各研究部会もさらにパワーアップすることを目指して、研究体制を固めようと思いますので、それぞれの所属研究部員を登録していただいて、より活発な研究活動を行うための組織作りを行いたいと思います。研究部会・会員名簿にご記入の上提出を御願いします。関西支部のホームページからも登録が可能ですので、http://www.fbsociety-kansai.com/members/をご覧ください。来年のファッションビジネス学会関西支部10周年は記念行事として、学会の全国大会を関西で開催し、大きな研究成果の発表会とすることも計画しておりますので、ぜひ本日からの1年間を充実した研究体制作りを目指したいと思います。本日は長時間の発表会となりますが、最後までメンバーの日頃の成果をお聞きくださるように御願い申し上げます。

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